とりあえずTwitterの他にもつくりました。
作家・佐藤大輔氏、阪神タイガース、ミステリ(中でも本格ミステリ)そして競馬が好きです。
宮田眞砂氏の「セント・アグネスの純心 花姉妹の事件簿」読了。これは傑作。私の大好物である学園・青春ミステリであり、少女小説、百合小説でもある。その要素全てが魅力的です。聖花女子学院へ編入した神里万莉愛はみなの憧れの白丘雪乃と仮初めの姉妹、花姉妹となる。 学院の寄宿舎セント・アグネスで起こる様々な謎、日常の謎を解く2人。そのミステリ部分が先ず素晴らしいのですが事件を通して変化していく2人の関係、周囲の少女たちとの関係の描きかたがもう…少女たちの物語に一気に引きこまれました。ミステリとしてはテディベアに関する謎を解く「熊の左足」が好みです。→
#v読
櫛木理宇氏の「凶獣の村 捜査一課強行犯係 鳥越恭一郎」読了。シリーズ第3作。引退した刑事が殺害され孫娘が誘拐される。現場となった村は新興宗教の拠点で、過去にも未解決事件が発生しており…前2巻同様、素晴らしい警察小説。ミステリとしての完成度はシリーズ中一番という印象です。様々な要素、舞台設定がミステリ、謎部分に全て繋がってくる…巧いです、見事過ぎます。そしてその設定はミステリ部分だけでなく物語部分にも当然生きてくる訳で…そして今回は主人公、鳥越恭一郎とバディを組む長下部巡査部長が非常に魅力的で良いのですよ…面白さが加速している感じがするのでさらなる続巻に期待です。 #v読
櫛木理宇氏の「凶獣の村 捜査一課強行犯係 鳥越恭一郎」読了。シリーズ第3作。引退した刑事が殺害され孫娘が誘拐される。現場となった村は新興宗教の拠点で、過去にも未解決事件が発生しており…前2巻同様、素晴らしい警察小説。ミステリとしての完成度はシリーズ中一番という印象です。様々な要素、舞台設定がミステリ、謎部分に全て繋がってくる…巧いです、見事過ぎます。そしてその設定はミステリ部分だけでなく物語部分にも当然生きてくる訳で…そして今回は主人公、鳥越恭一郎とバディを組む長下部巡査部長が非常に魅力的で良いのですよ…面白さが加速している感じがするのでさらなる続巻に期待です。 #v読
内田康夫財団事務局「浅見光彦シリーズ番外 奇譚の街 須美ちゃんは名探偵!?」読了。浅見家のお手伝い、吉田須美子を探偵役(?)とするスピンオフ作品4作目。❬日常の謎❭作品ですよね。長編ではありますが各章毎にちょっとした謎解き的なものもありますから連作短編的な読み方も出来るかなと思いました。正直、ミステリ部分はちょっと強引かなと思う部分がないとは言えないのですが、須美ちゃん推しの私的にはミステリ部分以外も魅力的な作品名ですから問題ありません(完全に個人の好みです)特別収録の短編「軽井沢のセンセ失踪事件」もそうですが御当地ミステリとしての色が強い作品だとも思いました。 #v読
坂口安吾「安吾探偵事件帖 事件と探偵小説」読了。坂口安吾が帝銀事件、下山事件などの実際の事件についての事件評論、裁判傍聴記。そして推理小説を論じたエッセイを収録。舌鋒鋭いという言葉が先ずは思い浮かびました。事件評論、裁判傍聴では犯人を推理するという様な単純なものではなく事件を通して様々なもの語る…そんな印象を受けました。しかし終戦直後5年程の事件に関するものですが、現代でこの様な書き方をすれば大炎上だろうな…というのも正直な感想です。そして推理小説論ですがこちらも手厳しいですね。私の好きなヴァン・ダインなんてもう(笑)小栗虫太郎にも厳しい→ #v読
弥生小夜子氏の「風よ僕らの前髪を」読了。第30回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。夫を殺害したのは養子ではないかと疑う伯母から従弟の身辺調査を依頼された悠紀、その従弟の過去をたどって見えてきたものは…作品紹介にもある通り愛憎渦巻く異様な人間関係、その真相が明かされた時には怒り…そして切なさを感じました。犯罪小説であり、青春小説でもあるとも言えるのではとも思いました。勿論ミステリとしても見事な作品です。果たして天秤はどちらに振れたのか?ラストシーン、その後をどう想像するかは読み手によるのでしょうか…解説でも書かれていましたが私も→ #v読
北森鴻氏の「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルⅢ」復刊、再読了。「凶笑面」「触身仏」を再読した時同様、こんなに面白かったか?というのが正直な感想です。特に表題作の「写楽・考」は圧巻。❬教務部主任の狐目担当者❭の名前も明かされ、彼の関係するこの回は見事の一言。ラスト1行でアッと言わされました(再読なんですけどね…)解説は大矢博子氏。❬平成にはこんな面白い話を書く作家がいたんですよ。❭に大きく頷いたのと❬物語が読まれ続ける限り、作家は死なない❭の言葉にも…これは北森氏だけではありませんが。
8月、10月に復刊される「邪馬台」「天鬼越」をまた楽しみに待ちます。 #v読
北森鴻氏の「写楽・考 蓮丈那智フィールドfileⅢ」復刊、再読了。「凶笑面」「触身仏」を再読した時同様、こんなに面白かったか?というのが正直な感想です。特に表題作の「写楽・考」は圧巻。❬教務部主任の狐目担当者❭の名前も明かされ、彼の関係するこの回は見事の一言。ラスト1行でアッと言わされました(再読なんですけどね…)解説は大矢博子氏。❬平成にはこんな面白い話を書く作家がいたんですよ。❭に大きく頷いたのと❬物語が読まれ続ける限り、作家は死なない❭の言葉にも…これは北森氏だけではありませんが。
8月、10月に復刊される「邪馬台」「天鬼越」をまた楽しみに待ちます。 #v読
伊吹亜門氏の「雨と短銃」読了。本格ミステリ大賞受賞作「刀と傘」の前日譚。坂本龍馬の仲介で薩長間で協約が結ばれ様とする最中、薩摩藩士が長州藩士を斬りつけ姿を消す。龍馬のから調査の依頼を受けたのは尾張藩士 鹿野師光。ミステリとして私の好みど真ん中と言える出来な上に時代小説としての仕上がりも見事で…個人的には文句のつけようがない傑作。本格ミステリとしてかなりフェアな作品だと思います。何より幕末の京都という場所、時代であるが故の犯行動機等、物語部分とミステリ部分の相乗効果が素晴らしく…面白かったです。「刀と傘」の連作短編形式も良かったですが私は→ #v読
高田崇史氏の「QED 神鹿の棺」読了。「QED」シリーズ23作目。崇、奈々、小松崎東国三社と呼ばれる鹿島神宮、香取神宮そして息栖神社を訪れる。そして事件に巻き込まれやい訳もなく…東国三社に秘められた謎に関する考察、これまでのシリーズで語られてきた諏訪大社などの話も絡めて面白かったこれまでのシリーズ各巻のお復習的な感じも受けましたし、パズルの様にハマっていく崇の考察に関してもこれまでで一番納得出来たかもしれません(エンタメ的にですよ…)東国三社に加えて大洗磯前神社、酒列磯前神社に関しての話も面白いものでした。そして並行しておこる殺人事件、このシリーズ→ #v読
村山修一氏の「本地垂迹」読了。神仏習合の思想、本地垂迹説に関して総合に読み解いた1冊。以前から気になっていた内容でもありますし、先日読んだ「日本仏教再入門」でも取り上げられられていましたので…かなりの部分で疑問に思っていた事が解決しました。また❬御霊会の発生と成立❭の項で説明されるその時代背景はかなり興味深く読めました。ただ正直、後半部分は私には理解の難しい内容もありました。ですが、その全体像を掴む事は出来た…と思います。1975年、半世紀程前の出版ですが解説の末木文美士氏によれば、その後この分野での研究は更に進んでいるものの本著が時代遅れになったということではないと書かれています。 #v読
「新潟怪談」読了。越後国・佐渡…新潟県内の怪異体験を取材したご当地怪談集。同シリーズの他県の怪談集は書店で見かけていて新潟版を見つけてホラー、怪談は苦手なのですが購入してしまいました。7名の書き手による40話収録。やはり県内の話だとイメージがしやすいというのもあり…怖いですね。私の地元が舞台の作品も1話ありました。当たり前と言えば当たり前ですが、書き手の方によって読み味が変わってくるのも面白いです。そして作中の会話で方言が多用されるのも良かったです。それもまたリアリティを感じた所かもしれません(恐怖感が伝わりますね)普段あまり読まないジャンルですが楽しめました。 #v読
米澤穂信氏の「冬季限定ボンボンショコラ事件」読了。❬小市民❭シリーズ約20年かかっての完結、最終巻(ですよね?)小鳩君が轢き逃げに遭うとう衝撃的な冒頭には驚きましたが、そこから小鳩君と小佐内さんが❬小市民❭を目指すきっかけとなった中学生時代の出来事に…四部作の最期を飾るのに相応しい内容でした。❬古典部❭シリーズ同様高校生たちを描きながらそのベクトルは少し違う方向を向いているシリーズだとは思うのですが、それこそ青春のなんというか苦さの様なものは共通で…上手いですよね米澤先生。そしてミステリ部分はもう…やはり伏線の張り方や手がかりの置き方が巧みとしか→ #v読
彩坂美月氏の「double~彼岸荘の殺人~」読了。文庫書き下ろしとはありがたい。何人もが不可解な死を遂げた❬彼岸荘❭その謎を解き明かすために集められた超能力者たち。そこで起こる惨劇…ホラーミステリと銘打たれていますが見事に両立しています。序盤、中盤はホラー小説色を強く感じていましたが、終盤にかけてのミステリとしての解決は見事でした。それは勿論、序盤、中盤にしっかりとミステリの仕掛けも組み込まれていからこその訳で…伏線にはいくつか気付けていましたがそれでも結末にへ唸りました。そして、強力な念動力をもつ沙良と幼馴染みのひなたとの関係性も…こういう部分が私が彩坂先生を好きなところです。 #v読
津村記久子氏の「つまらない住宅地のすべての家」読了。傑作だと思います。とある❬つまらない住宅地❭、そこへ刑務所を脱走した受刑者が向かっているとのニュースから普段とは違ったご近所付き合いが始まりその結果…平穏に見える各家庭が抱える問題や秘密は様々でそれが爆発してしまうかというタイミングで巻き起こった脱走犯の騒動。交代で見張りをする中でその問題を抱える人たちが影響を与えあい…見事でした。私の悪い癖でつい❬ミステリ的にも楽しめた❭と言ってしまいそうになります…最後は正に帯裏のコメントにある様に大団円。素敵な読後感のある作品でした。 #v読
中江有里氏の「万葉と沙羅」読了。中学校を不登校だった沙羅が通信制高校で幼馴染みの万葉と再開。叔父の古本屋でバイトをする万葉と会話のきっかけとするために本を読み始める事になり…沙羅と万葉、友人や家族との関係を描く青春小説。その関係をつなぐのは本(と言っていいかな?)作中に登場する本は純文学からミステリ、SFと様々。その本の内容もまた関わってきます。かと言ってその本を知らなければ楽しめない作品では勿論ありません。(私は読んでいる本の方が少なかったです。)そして本が好きな方なら思わず頷きたくなるような本、読書に関する言葉の数々…二人の将来を応援したくなる→ #v読
北森鴻氏の「触身仏 蓮丈那智フィールドファイルⅡ」復刊、再読了。初読は20年近く前。再読も暫くしていなかったのですが、「凶笑面」と同じく今回の方が楽しめました。正直こんなに面白い作品だったか!?まで思いました。それは私の知識がそれなりに増えて民俗学に関わる部分をより理解出来る様になった事、更にはミステリ作品を多く読んできた事があるのかも知れません。逆に言えば、どちらの知識も少なかった当時の私でも十分に楽しめる程、この作品のレベルが高いのだと思います。探偵役たる異端の民俗学者、蓮丈那智の民間伝承に関する学問的解釈と、遭遇する事件の推理。各々が→ #v読
末木文美士 編著「日本仏教再入門」読了。頼住光子(倫理学)、大谷栄一(社会学)、末木文美士(仏教学)の三氏が専門の知識、方法を生かして日本仏教の思想、近代の仏教、日本仏教の深層から論じた内容。仏教の日本への伝来から、聖徳太子、最澄、空海そして鎌倉仏教の祖師の思想、この辺りはそれなりに知っていた、理解していたつもりですが、違った見方や、新たに知れた事も多かったです。そして近代の仏教、廃仏毀釈から現在に至るまでの日本仏教、これに関してはほぼ未知の内容ばかりで勉強になりました。神智学協会との関係は特に興味深かったです。そして日本仏教の深層→ #v読
北森鴻氏の「凶笑面 蓮丈那智フィールドファイル1」復刊、再読了。角川文庫での復刊という事で久しぶりに再読しましたが、やはり面白い…と言うより以前読んだ時よりも楽しめました。異端の民俗学者、蓮丈那智を探偵役とする短編集第1作。その蓮丈那智による民俗学の考察、フィールドワーク中に遭遇する殺人事件の謎解き、どちらも魅力的で、そのレベルも高いという…民俗学的考察の面白さでは表題作の「凶笑面」、ミステリとしては「不帰屋」が好みですね。「不帰屋」の❬雪密室❭は見事としか良い様がありません…やはり北森先生の作品大好きです。2巻の「触身仏」も購入してきました。
三宅香帆氏の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」読了。TLでも結構な頻度で上がってきていた話題本。紹介や読了ツイートを見て、正直その内容には半信半疑で読み始めたのですが、全てとは言いませんが、かなりの部分で納得出来ましたね。実際、私は働き始めてからも本はそれなりに読めている方だと思います。ですから逆に❬読めない理由❭に私が当てはまらないので納得したと言いますか…日本の労働史、読書史を辿り過去の労働と読書の関係と現代のそれとを比較した視点は面白いですし、❬読書とはノイズ❭という言葉の意味も成る程なと思わされるものでした。現代の労働環境が良いもの→ #v読
小林照幸氏の「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」読了。帯にある❬wikipedia 3大文学❭、この日本住血吸虫症の項は私も読んでいました(正直に言えばかなり斜め読みですが…)甲府ではあの甲陽軍鑑にも記述があり、広島では江戸末期に医師が諸国の医師に力を借りたいと書物をまとめるなど、進行すれば死にまで至る謎の病として恐れられていた日本住血吸虫症。その原因の特定から治療法、予防法の確率まで、多くの医師、研究者の闘いの記録。原因がつきとめられた明治から対策がとられ、それでも山梨で安全と宣言されるのは平成に入ってからなのですから…Wikipediaだけでは知る事が出来ない→ #v読
太田省一氏の「刑事ドラマ名作講義」読了。面白かったです。テレビ黎明期、刑事ドラマの先駆けとなった1960年代の作品から現在も放送されている作品まで。70年余りの歴史の概観、そして各作品を掘り下げた解説。私がリアルタイムで見れているは90年代に入ってからの「はぐれ刑事 純情派」以降の作品。そして再放送で見た70年代の「西部警察」「あぶない刑事」などですが、それ以前の作品の解説も楽しく読む事が出来ました。各ドラマのその時代から受けている影響、時代と共に刑事ドラマがどう変わってきたのか?頷かされる事が多く納得でした。また❬人情派❭と❬アクション派❭という刑事ドラマの2大系譜と→ #v読
大木毅氏の「決断の太平洋戦史 ❬指揮統帥文化❭からみた軍人たち」読了。太平洋戦争時の日英米の指揮官12人の人物象、戦歴を再検証した列伝。北條圓了軍医大佐以外の11人はよく知る…知ったつもりでいた軍人たちでしたが、やはり私の知識が古い、或いは偏ったものだと思わされる内容でした。英軍のパーシヴァル中将と山下奉文大将と言えば❬あの❭シンガポール陥落時のニュース映像のイメージが強くそれに引きずられる形でその人物象を理解していた様に思いましたし、神重徳少将、小沢治三郎中将に関してもこれまで思っていた人物像、能力とは違った面、実像を知る事が出来ました。その他→ #v読
愛川晶氏の「落語刑事サダキチ 埋蔵金伝説と猫の恩返し」読了。落語を愛する刑事 平林定吉と新人刑事 三崎優子、そして落語家 林家正蔵が事件の謎を解く、落語ミステリ第3段。今回も面白かったです。落語の演目と事件との絡ませ方が見事としか言い様がありません。勿論、落語の演目を知らずともストーリーの中で自然と説明されるので楽しめますし、その落語の演目も聞きたくなります。今巻の中ではミステリ的には「反魂香奇談」が好みでした。まさかのあのア二…が鍵を握るとは思わずニヤついてしまいました。「熊の皮騒動」はこの作品自体が落語っぽいな感じて面白かったです。更なるシリーズ→ #v読
カミツキレイニー氏の「魔女と猟犬 Ⅴ」読了。シリーズ5作目。ロロとテレサリサは更に魔女を仲間とするために、ハルカリたち海賊団は銃器を求めて訪れたオズ島では内戦が起きており…ハルカリたちが接触王家に反発する❬南部戦線❭を率いる魔女が語る過去の出来事、そして現れる九使途今回も息をつかせぬ展開で、更に言えば次巻は…次巻はいつですかと先が気になる展開でした。そして今回もミステリ的な展開が見事でして…上手いです。(4巻はミステリ作品といっても過言では無い内容でした。ネタバレにはならないと思いますが)今回は前巻で登場したジャックの活躍が僅かでしたのでその辺りも含めて次巻を楽しみ待ちます。 #v読
古内一絵氏の「百年の子」読了。出版社の学年誌創刊百年企画チームに配属された明日花は祖母が戦時中にその学年誌に関わっていた事を知り…現代(令和)と戦中、戦後(昭和期)の物語各々に先ず惹かれました。そしてその繋がってきた物語の見事さはもう…学年誌、私は子供時代には手にとった事が実は無いのですが、私の子供時代には全学年分が出版されていましたし、それがどの様なものかは知っていたつもりでした。しかし、それが戦前、出版社の創設にも関わるものだったとは知りませんでした。当然、戦中や戦後、私がリアルタイムでは知らない時代の事も…戦中期の事情に関しては→
#v読
伊福部昭 著 小林淳 編「伊福部昭綴る 伊福部昭 論文・随筆集」読了。作曲家 伊福部昭の論文、随筆を集成したもの。先日、片山杜秀氏の「大楽必易 わたくしの伊福部昭伝」を読んでいましたので、スムーズに読む事が出来ましたし、理解が深まりました。私は聴くだけで音楽に関しての知識が有る訳ではありませんが、氏の音楽を聴いて感じるもの…その理由を知れた気がします。「音楽に於ける国民主義」「現代音楽のプロパガンダ」「流哇碎零」が特に氏の音楽への考え方が伝わり興味深い内容でした。「プロコフィエフ」の項の❬作品が、他の誰かに似ているといわれる以上の恥辱はないからである。❭との言葉は印象的でした。 #v読
クラウゼヴィッツの「戦争論」は学生時代に岩波文庫の上中巻まで読んで(理解したとは言っていない)挫折しました。下巻は買ってすらいません…>RP
今村好信氏の「日本海軍魚雷艇全史 列強に挑んだ高速艇の技術と戦歴」読了。日本海軍における魚雷艇の歴史、開発、技術そして戦歴までがまとめられています。日本海軍の魚雷艇に関しては他の艦艇に関して書かれた本で得た不十分な知識しかありませんでしたから、興味深く読む事が出来ました。しかし、本格的にその必要性が認識され開発、建造が計られたのが太平洋戦争開戦後であり、実戦投入が果たされた時には戦況が不利になり活躍の機会がほぼ無かったというのは…性能面に関してもエンジンの開発に苦しみ望まれる性能を得る事が出来なかったというのは知っていましたが…→
#v読
高原英理氏の「不機嫌な姫とブルックナー団」読了。文庫新刊コーナーで表紙に目を惹かれて手に取り、一応クラシック聴く人間なので購入。面白かったです。出だしのブルックナー団との邂逅とブルックナーに関する会話…一気に引き込まれました。ブルックナー団が言うところのハンスリック団精神の持ち主、いますよね…色々と思い浮かんでしまいました。そのブルックナー団と出会った(ってしまった?)❬姫❭代々木ゆたきが彼らとの関わりの中で変わって行く姿もまた面白く…ラストの彼女とブルックナー団の会話、最高でした。それにしてもブルックナーその人に関して詳しく知る事が無かったのですが→ #v読
大崎梢氏の「めぐりんと私。」読了。移動図書館❬本バスめぐりん❭を舞台とする短編集2作目。移動図書館の利用者と本に関わる日常の謎を絡めた物語。前作の紹介にある❬ハートフル・ミステリ❭という言葉通りの作品。今作も素晴らしかったです。本好き、図書館をよく利用する人なら共感出来る事も多くあるのでは無いかと思います。収録作のなかでは「本は峠を越えて」に一番心を惹かれました。そしてミステリ好きには「リボン、レース、ときどきミステリ」はたまらない作品ではないでしょうか。作中に登場するミステリ作品がまた良いのです。こたくさんの本が各物語の中に出てきますが、読んだ事のある本が出てくると嬉しくなりますね。 #v読
彬子女王殿下の「赤と青のガウン オックスフォード留学記」読了。面白かったです!女性皇族として初めて博士号を取得された彬子女王殿下による留学記。❬楽しかったことも辛かったことも正直に書き綴ってきたつもりである。❭との言葉の通り英国オックスフォード大学での留学生活の様々な事柄大学での学習、研究に関する事、日常生活のあれこれ、休暇で訪れた英国や欧州各地での出来事、御友人方との関わり、そして皇族ならではの御苦労やそれに関わる事(側衛と呼ばれる護衛官の事初めて知りました…)等々、どれも興味深く面白い話ばかりでした。個人的には英国料理はやはりあまり美味しく→ #v読
秀章氏の「純情ギャルと不器用マッチョの恋はじれったい」読了。TLで感想を見かけ購入してみましたが良いですね。ド直球の青春ラブコメであり筋トレネタラノベですね(他にこのジャンルあるのか?)シンプルに楽しめましたし、筋トレ、ダイエットネタがまた楽しくもあり。友人達のキャラがなかなかに楽しく、単巻ではもったいないなとか思いながら読んでいたら最後に❬つづく❭とありますから続編があるのですね。期待して待ちます。 #v読
森晶麿氏の「切断島の殺戮理論」読了。帯にある❬異様❭❬異常❭❬異形❭という言葉通りの本格ミステリ。登場人物、舞台設定、事件の背景等々、本格ミステリ味というか堪らないものがあります。次々と起こる惨劇の不可解性も魅力的ですし、最後に明かされる真相、真実は正に…下手に書いてしまうとネタバレしそうなので控えますが、異様、異常、異形でありながら論理的な解決は正に本格ミステリ。楽しめました。ラストを読むと続編、シリーズ化も有るのかな?という印象も受けましたが、そうであれば楽しみです。 #v読
三上延氏の「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ ~扉子たちと継がれる道~」読了。貸本屋❬鎌倉文庫❭、その貸出本を巡る、扉子、栞子、智恵子、3人各々が挑む物語。そしてそれが繋がり…これまで同様楽しめました。夏目漱石の小説に関する話題も面白いですね。とは言え登場する作品、私の未読の作品もあったのですが…読んでいてなんというかヒヤヒヤしたのは扉子パートでしょうか。なかなか苦労しそうな性格です。ミステリ的には連作短編としての作りが好みでした。ミステリとしては「栞子シリーズ」より「扉子シリーズ」の方が強めかなとか思たり… #v読
蛯名正義師の「調教師になったトップ・ジョッキー 2500勝騎手がたどりついた❬競馬の真実❭」読了。蛯名調教師による週刊ポストでの連載を加筆修正、再構築した1冊。先日、やはり騎手から調教師へ転身した福永調教師の本を読んだばかりですが、対比が出来て面白かったです。自身騎手時代の話は知らなかった事も多かったですし、天才騎手の息子である福永師と違い競馬とは直接的に関係のないところからスタートした事もあり、そのスタンスや考え方の違いも面白かったですね。厩舎経営に関する割りと明け透けな話も考えさせられる事もありましたし、連載媒体の関係もあるのでしょうが、馬券術に使えそうな内容も。 #v読
羽生飛鳥氏の「蝶として死す 平家物語推理抄」読了。平清盛の異母弟、平頼盛を探偵役とする時代ミステリ。アンソロジーの収録作として「弔千手」は以前読んでいてその見事さに驚いたのですが、連作短編集の中で読むと更にその面白さに気づく事が出来ました。ミステリとしての面白さは勿論として時代小説としても見事としか言い様がなく、時の権力者たちとの関係の中での頼盛の生き様の描かれ方が印象深く、そのタイトルの意味も読み終えると頷かされるものでした。平清盛、木曽義仲、源頼朝、北条時政の対比が面白かったです。ミステリとしては「葵前哀れ」が好みです。登場人物としては家人の平弥兵衛宗清が私には非常に魅力的でした。 #v読
古内一絵氏の「お誕生会クロニクル」読了。読み終えて暫し放心状態連作短編集、各短編を読んできて最後の短編のラスト4行の言葉がこれ程胸に響くとは…誕生日、誕生会をテーマとした各短編各々が素晴らしいのですが、各短編が相互にリンクしていてしています。最初の「万華鏡」から傑作だと思ったのですが、読み味が少しずつ異なる続く作品のどれもが素晴らしく…特に「あの日から、この日から」は❬あの日❭をあの出来事の日としか認識出来ていなかった自分に愕然としたりもしました。また連載中に起こったコロナウィルス流行も今読むと色々な事を思い出したりもしました。→ #v読
宮園ありあ氏の「異端の聖女に捧げる鎮魂歌」読了。「ヴェルサイユ宮の聖殺人」の続編。これは傑作。女子修道院長からの助けを求める手紙を受けとった公妃マリー=アメリー、相棒のボーフランシュ大尉と向かった修道院で起こる連続殺人…ミステリ、物語に濃密に関わってくる修道院、信仰、歴史といった背景が興味深く面白く(恥ずかしながらアンボワーズの陰謀を知りませんでした…)また前作から変化した公妃と大尉の関係、更には魅力的な登場人物たち…と様々な要素が詰め込まれているのですが、過剰さを全く感じる事なく読み進める事ができましたし、それが一気に回収される→ #v読
エドワード・W.バートン=ライト、田内志文 訳/新美智士 監修「シャーロック・ホームズの護身術バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術」読了。ホームズの読者であれば誰もがしる謎の武術❬バリツ❭と結びつけられて語られる事も多い❬バーティツ❭に関して「ピアソンズ・マガジン」に掲載された創始者バートン=ライトによる解説を全訳したもの。監修者による、その成り立ちと歴史、ホームズ作品との関係の話も興味深いですし、何より当時の写真付きで解説される❬バーディツ❭の解説が面白く楽しいものでした。私は格闘技に関する知識はほぼ皆無ですし、そのセンスもあるとは思えませんから実践しようとはなかなか思えませんが→ #v読
小泉悠氏の「オホーツク核要塞 歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略」読了。戦後70年、ソ連時代から現在までのロシアの軍事戦略、特に極東での戦略に関して解説された1冊。冷戦時代のソ連の核戦略における潜水艦の役割、それなりに知っていたつもりでしたが、改めて戦後からの流れの解説を読むと未知だった事も勘違いしていた事も多くあり勉強になりました。そしてその戦略は現在における情勢、ウクライナ戦争そして何よりも日本に対しても当然ながら大きく影響する事も実感(とは表現がおかしいか…)する事もできました。❬縮小版過去を生きるロシア❭の章代がなんとも印象的ですね。 #v読
アガサ・クリスティ「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」読了。先週からNHKでドラマが放送されていますね。クリスティの数少ないノン・シリーズ作品。結論から言うと私好みの作品。雰囲気としては「トミー&タペンス」シリーズに近いでしょうか。タイトルにもなっている瀕死の男が最後に最後に発した言葉「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」後半で明かれるその言葉の意味と続く数行に思わず❬えっ?❭と声が出てしまい…クリスティ上手いですよね…解説にもある通り謎解き小説としての魅力に加えて冒険、ロマンスの要素も加わった楽しい作品でした。フラキンキーのお転婆ぶりはドラマ以上かも…私には寧ろ好ましいですが。 #v読
蜂須賀敬明氏の「さよなら凱旋門」読了。❬現代の日本人騎手が蹄鉄に転生❭とはどういう事?と思わず手に取った作品でしたが、上質な競馬小説、面白かったです。1916年の英ダービー直後に蹄鉄として転生した騎手の藤晩夏がアラブ系の少年アリーと一頭の牝馬と共に英国から米国に渡る事から始まる物語。描かれる人と馬との繋がり、そして人と人との繋がりが魅力的、登場人物それぞれに感情移入して読めました。競馬の魅力である競走馬の血の繋がりとその拡散、その素晴らしさと面白さが伝わってきます。設定の奇抜さに目が行きますがシンプルに競馬小説として読んでも傑作だと思います。 #v読
日影丈吉「ミステリー食事学」読了。作家であり料理研究家、翻訳家でもある著者によるミステリ、料理に関わるエッセイ集。帯の❬異色の名著❭の言葉通り単純な食べ物に関するエッセイではなく、ミステリやその他様々な内容も絡めて書かれた内容は興味深いものばかり。私が特に面白く読めたのはメグレ警視シリーズのシムノンに関するエッセイ。最近新訳を読むまでその面白さがあまり理解できなかったシムノンに関する話は成る程なと思わされるものでした。ただホームズやクリスティ作品に関するネタバレがチラチラ出てきますので注意も必要かなと。テルアビブ空港乱射事件、横井庄一さんオイルショックという話題に時代を感じます。 #v読
ガガガ文庫の❬X 連動新春恒例企画 寒中見舞いプレゼントキャンペーン❭当選していました。「いつか憧れたキャラクターは現在使われておりません。」の詠井晴佳先生のサイン入り寒中見舞いが届きました。素敵なメッセージ付き。ありがとうございます。大切にしなければ。
「黒死館殺人事件」2回挑戦したけど2回とも楽しめる…いや理解するには至らず。読み通しはしたのですけどね。またチャレンジしてみようか…>RT
北山猛邦氏の「天の川の舟乗り 名探偵音野順の事件簿」読了。❬世界一気弱で引きこもりがちな名探偵 音野順❭シリーズ3作目。短編3本と中編1本。流石は○○の北山(ネタバレにはならないと思いますが念のため)という表題作は見事です。順の兄要が探偵役を務める「怪人対音野要」のトリックも好きですが、個人的なベストは「人形の村」。他の3編とは違う驚きがあります。(単に私好みのミステリーというのはあります)。それにしてもワトソン役の白瀬白夜のちょっと変わった嗜好が面白いです。マッシーのぬいぐるみは私も欲しいかな(^-^; #v読