とりあえずTwitterの他にもつくりました。
作家・佐藤大輔氏、阪神タイガース、ミステリ(中でも本格ミステリ)そして競馬が好きです。
村山修一氏の「本地垂迹」読了。神仏習合の思想、本地垂迹説に関して総合に読み解いた1冊。以前から気になっていた内容でもありますし、先日読んだ「日本仏教再入門」でも取り上げられられていましたので…かなりの部分で疑問に思っていた事が解決しました。また❬御霊会の発生と成立❭の項で説明されるその時代背景はかなり興味深く読めました。ただ正直、後半部分は私には理解の難しい内容もありました。ですが、その全体像を掴む事は出来た…と思います。1975年、半世紀程前の出版ですが解説の末木文美士氏によれば、その後この分野での研究は更に進んでいるものの本著が時代遅れになったということではないと書かれています。 #v読
「薄ら…もうぐれが」のルビが「どうしようもない…くず野郎が」とは見事です(^-^;「もうぐれ」…流石に最近言われる事はなくなりましたね。子供の頃は結構言われた人いるんじゃないかな。
「新潟怪談」読了。越後国・佐渡…新潟県内の怪異体験を取材したご当地怪談集。同シリーズの他県の怪談集は書店で見かけていて新潟版を見つけてホラー、怪談は苦手なのですが購入してしまいました。7名の書き手による40話収録。やはり県内の話だとイメージがしやすいというのもあり…怖いですね。私の地元が舞台の作品も1話ありました。当たり前と言えば当たり前ですが、書き手の方によって読み味が変わってくるのも面白いです。そして作中の会話で方言が多用されるのも良かったです。それもまたリアリティを感じた所かもしれません(恐怖感が伝わりますね)普段あまり読まないジャンルですが楽しめました。 #v読
取られた事があるのですが(犯罪を犯した訳でも、被害者でもないですよ)私がまとまりも無く話した事を、こんなに上手くまとめて、こういう形式で記述するのか凄いと感動した事を思いだしました。勿論、事実を異なる事を書いている訳ではないですよ。
いえません。さりげなく置かれている手がかりとか私大好きなのですが、この作品も見事でした。そして最後の小佐内さんの小鳩君への言葉が…2人のこの後を想像したくなる。そんなラストでした。そして7月開始のアニメが更に楽しみになりました。「春期限定」から再読しないとかな…ここからは完全な蛇足。事件関係者がバドミントン部員とうだけで微妙に私、テンションが上がっておりました(笑)
そして、轢き逃げにあった小鳩君が警官が作成した供述書を見ての感想❬すごい。僕が喋った言葉がほとんど使われていない。❭これには思わず笑ってしまいました。私も以前供述書を→
米澤穂信氏の「冬季限定ボンボンショコラ事件」読了。❬小市民❭シリーズ約20年かかっての完結、最終巻(ですよね?)小鳩君が轢き逃げに遭うとう衝撃的な冒頭には驚きましたが、そこから小鳩君と小佐内さんが❬小市民❭を目指すきっかけとなった中学生時代の出来事に…四部作の最期を飾るのに相応しい内容でした。❬古典部❭シリーズ同様高校生たちを描きながらそのベクトルは少し違う方向を向いているシリーズだとは思うのですが、それこそ青春のなんというか苦さの様なものは共通で…上手いですよね米澤先生。そしてミステリ部分はもう…やはり伏線の張り方や手がかりの置き方が巧みとしか→ #v読
しかし私はホラー小説苦手なのですが、耐性が付いたのか単に鈍感になってかたのか…ホラー小説としてもしっかり楽しめました。年始めに読んだ怖いと話題になっていた作品も平気だったし…ミステリ的に読むとそちらに意識が行くからなのかな?
彩坂美月氏の「double~彼岸荘の殺人~」読了。文庫書き下ろしとはありがたい。何人もが不可解な死を遂げた❬彼岸荘❭その謎を解き明かすために集められた超能力者たち。そこで起こる惨劇…ホラーミステリと銘打たれていますが見事に両立しています。序盤、中盤はホラー小説色を強く感じていましたが、終盤にかけてのミステリとしての解決は見事でした。それは勿論、序盤、中盤にしっかりとミステリの仕掛けも組み込まれていからこその訳で…伏線にはいくつか気付けていましたがそれでも結末にへ唸りました。そして、強力な念動力をもつ沙良と幼馴染みのひなたとの関係性も…こういう部分が私が彩坂先生を好きなところです。 #v読
津村記久子氏の「つまらない住宅地のすべての家」読了。傑作だと思います。とある❬つまらない住宅地❭、そこへ刑務所を脱走した受刑者が向かっているとのニュースから普段とは違ったご近所付き合いが始まりその結果…平穏に見える各家庭が抱える問題や秘密は様々でそれが爆発してしまうかというタイミングで巻き起こった脱走犯の騒動。交代で見張りをする中でその問題を抱える人たちが影響を与えあい…見事でした。私の悪い癖でつい❬ミステリ的にも楽しめた❭と言ってしまいそうになります…最後は正に帯裏のコメントにある様に大団円。素敵な読後感のある作品でした。 #v読
そんな素敵な青春小説でした。
中江有里さん、最近ではタイガースファンという事でTLで見かける事が多かったのですが、私はやはり「週刊ブックレビュー」のイメージが強いです。
中江有里氏の「万葉と沙羅」読了。中学校を不登校だった沙羅が通信制高校で幼馴染みの万葉と再開。叔父の古本屋でバイトをする万葉と会話のきっかけとするために本を読み始める事になり…沙羅と万葉、友人や家族との関係を描く青春小説。その関係をつなぐのは本(と言っていいかな?)作中に登場する本は純文学からミステリ、SFと様々。その本の内容もまた関わってきます。かと言ってその本を知らなければ楽しめない作品では勿論ありません。(私は読んでいる本の方が少なかったです。)そして本が好きな方なら思わず頷きたくなるような本、読書に関する言葉の数々…二人の将来を応援したくなる→ #v読
高いレベルで両立しているのは前作同様、 見事としか言い様がありません。ただ前作「凶笑面」とは少し受ける印象が違うな…と感じていたのですが、法月綸太郎氏が解説でその理由に触れられていて納得しました。この解説を読むだけのために購入する価値はあるかもしれません。今月発売の「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルⅢ」も当然購入しますが、その前に手持ちの新潮文庫本を再読してしまいそうだな…
北森鴻氏の「触身仏 蓮丈那智フィールドファイルⅡ」復刊、再読了。初読は20年近く前。再読も暫くしていなかったのですが、「凶笑面」と同じく今回の方が楽しめました。正直こんなに面白い作品だったか!?まで思いました。それは私の知識がそれなりに増えて民俗学に関わる部分をより理解出来る様になった事、更にはミステリ作品を多く読んできた事があるのかも知れません。逆に言えば、どちらの知識も少なかった当時の私でも十分に楽しめる程、この作品のレベルが高いのだと思います。探偵役たる異端の民俗学者、蓮丈那智の民間伝承に関する学問的解釈と、遭遇する事件の推理。各々が→ #v読
このパートは日本仏教の戒律との関係、葬式仏教と言われている事に関して、そして神仏の関係…と私が以前から気になっていた内容で非常に面白く、読む事が出来ました。こうなると本地垂迹説関連の本も読みたくなりますね(ちくま文庫で最近出ていた…)
正に「再入門」という言葉にふさわしい内容の1冊でした。
末木文美士 編著「日本仏教再入門」読了。頼住光子(倫理学)、大谷栄一(社会学)、末木文美士(仏教学)の三氏が専門の知識、方法を生かして日本仏教の思想、近代の仏教、日本仏教の深層から論じた内容。仏教の日本への伝来から、聖徳太子、最澄、空海そして鎌倉仏教の祖師の思想、この辺りはそれなりに知っていた、理解していたつもりですが、違った見方や、新たに知れた事も多かったです。そして近代の仏教、廃仏毀釈から現在に至るまでの日本仏教、これに関してはほぼ未知の内容ばかりで勉強になりました。神智学協会との関係は特に興味深かったです。そして日本仏教の深層→ #v読
北森鴻氏の「凶笑面 蓮丈那智フィールドファイル1」復刊、再読了。角川文庫での復刊という事で久しぶりに再読しましたが、やはり面白い…と言うより以前読んだ時よりも楽しめました。異端の民俗学者、蓮丈那智を探偵役とする短編集第1作。その蓮丈那智による民俗学の考察、フィールドワーク中に遭遇する殺人事件の謎解き、どちらも魅力的で、そのレベルも高いという…民俗学的考察の面白さでは表題作の「凶笑面」、ミステリとしては「不帰屋」が好みですね。「不帰屋」の❬雪密室❭は見事としか良い様がありません…やはり北森先生の作品大好きです。2巻の「触身仏」も購入してきました。
だとは私も思ってはいませんし、仕事への意識、考え方についても歪な部分はあると思いますから、そういった事を考える材料としてもも面白い1冊だと思いました。
正直に言えば読んでいて❬お前は逆に仕事への意識が低すぎるのではないか?❭と言われている気にもなったりしました(^-^;
三宅香帆氏の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」読了。TLでも結構な頻度で上がってきていた話題本。紹介や読了ツイートを見て、正直その内容には半信半疑で読み始めたのですが、全てとは言いませんが、かなりの部分で納得出来ましたね。実際、私は働き始めてからも本はそれなりに読めている方だと思います。ですから逆に❬読めない理由❭に私が当てはまらないので納得したと言いますか…日本の労働史、読書史を辿り過去の労働と読書の関係と現代のそれとを比較した視点は面白いですし、❬読書とはノイズ❭という言葉の意味も成る程なと思わされるものでした。現代の労働環境が良いもの→ #v読
内容も当然多くありますし。非常に興味深い内容でした。太平洋戦争時のフィリピンにおける米軍の被害であるとか、そのフィリピンにおける治療、対策への寄付、大岡昇平の関わりなども全く知りませんでした。
小林照幸氏の「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」読了。帯にある❬wikipedia 3大文学❭、この日本住血吸虫症の項は私も読んでいました(正直に言えばかなり斜め読みですが…)甲府ではあの甲陽軍鑑にも記述があり、広島では江戸末期に医師が諸国の医師に力を借りたいと書物をまとめるなど、進行すれば死にまで至る謎の病として恐れられていた日本住血吸虫症。その原因の特定から治療法、予防法の確率まで、多くの医師、研究者の闘いの記録。原因がつきとめられた明治から対策がとられ、それでも山梨で安全と宣言されるのは平成に入ってからなのですから…Wikipediaだけでは知る事が出来ない→ #v読
いう視点、❬一種のヒーローとしての刑事❭から❬刑事のパーソナリティーの揺らぎ❭への変化という視点。面白いですし、成る程と思わされる事ばかりで…好きな作品の解説では思わずニヤつきながら読んでいました。刑事ドラマ好きなら読んで損の無い1冊だと思います。面白かった!
今日は祝日でしたから、BSで「はぐれ刑事 純情派」「あぶない刑事」をはしごして観ていました(^-^;そして「あぶない刑事」の解説で取り上げられていた20話「奪還」が明日放送という素晴らしいタイミング(笑)明日は仕事ですから録画して見ようと思います(^.^)
太田省一氏の「刑事ドラマ名作講義」読了。面白かったです。テレビ黎明期、刑事ドラマの先駆けとなった1960年代の作品から現在も放送されている作品まで。70年余りの歴史の概観、そして各作品を掘り下げた解説。私がリアルタイムで見れているは90年代に入ってからの「はぐれ刑事 純情派」以降の作品。そして再放送で見た70年代の「西部警察」「あぶない刑事」などですが、それ以前の作品の解説も楽しく読む事が出来ました。各ドラマのその時代から受けている影響、時代と共に刑事ドラマがどう変わってきたのか?頷かされる事が多く納得でした。また❬人情派❭と❬アクション派❭という刑事ドラマの2大系譜と→ #v読
収録されている指揮官たちに関してもそうですね。なりより終章の「昭和陸海軍のコマンドカルチャー」では❬指揮統帥文化❭から日本の軍人たちの考察には深く頷かざるを得ませんでした。参考文献に上げられている書籍、手持ちで積ん読になっている本が何冊かありましたのでそちらにも手をつけたい思います。芥川賞作家、野呂邦暢氏の書簡の内容も引用されているのは驚きました。著作を探して読んでみたいですね。(氏のミステリ作品は読んだ事があるのですが…)
ドレッドノートさんにサイン本用意して頂きました。ありがとうございました。
大木毅氏の「決断の太平洋戦史 ❬指揮統帥文化❭からみた軍人たち」読了。太平洋戦争時の日英米の指揮官12人の人物象、戦歴を再検証した列伝。北條圓了軍医大佐以外の11人はよく知る…知ったつもりでいた軍人たちでしたが、やはり私の知識が古い、或いは偏ったものだと思わされる内容でした。英軍のパーシヴァル中将と山下奉文大将と言えば❬あの❭シンガポール陥落時のニュース映像のイメージが強くそれに引きずられる形でその人物象を理解していた様に思いましたし、神重徳少将、小沢治三郎中将に関してもこれまで思っていた人物像、能力とは違った面、実像を知る事が出来ました。その他→ #v読
継続希望です。蛇足ですが、私も解説の新津きよみさんの父親と同じく「平林」の文字を見ると思わず「たいらばやしかひらりんか~」となってしまいます。私の場合は子供の頃に読み聞かせてもらった絵本にその話があったのです。落語がもとになっていると知ったのは随分あとになりますが(^-^;
愛川晶氏の「落語刑事サダキチ 埋蔵金伝説と猫の恩返し」読了。落語を愛する刑事 平林定吉と新人刑事 三崎優子、そして落語家 林家正蔵が事件の謎を解く、落語ミステリ第3段。今回も面白かったです。落語の演目と事件との絡ませ方が見事としか言い様がありません。勿論、落語の演目を知らずともストーリーの中で自然と説明されるので楽しめますし、その落語の演目も聞きたくなります。今巻の中ではミステリ的には「反魂香奇談」が好みでした。まさかのあのア二…が鍵を握るとは思わずニヤついてしまいました。「熊の皮騒動」はこの作品自体が落語っぽいな感じて面白かったです。更なるシリーズ→ #v読
カミツキレイニー氏の「魔女と猟犬 Ⅴ」読了。シリーズ5作目。ロロとテレサリサは更に魔女を仲間とするために、ハルカリたち海賊団は銃器を求めて訪れたオズ島では内戦が起きており…ハルカリたちが接触王家に反発する❬南部戦線❭を率いる魔女が語る過去の出来事、そして現れる九使途今回も息をつかせぬ展開で、更に言えば次巻は…次巻はいつですかと先が気になる展開でした。そして今回もミステリ的な展開が見事でして…上手いです。(4巻はミステリ作品といっても過言では無い内容でした。ネタバレにはならないと思いますが)今回は前巻で登場したジャックの活躍が僅かでしたのでその辺りも含めて次巻を楽しみ待ちます。 #v読
正直衝撃を受けたところもあります。終戦時の賄いのおばさんの言葉には…正に大河小説、様々な事を考えさせられた小説でした。「鐘を鳴らす子供たち」とは成る程❬あの子❭でつながるのですね。その後が知れて今回も嬉しくなりました。作中に登場する作家、林有美子のモデルは林芙美子だと思うのですが、彼女に関しては以前読んだ「昭和史講義❬戦前文化人篇❭」で日中戦争への従軍経験、戦後の経歴を知り、作品を読んでみようと思いながら未だに読んでいません。この作品を読んで益々興味が湧いてきましたね…
古内一絵氏の「百年の子」読了。出版社の学年誌創刊百年企画チームに配属された明日花は祖母が戦時中にその学年誌に関わっていた事を知り…現代(令和)と戦中、戦後(昭和期)の物語各々に先ず惹かれました。そしてその繋がってきた物語の見事さはもう…学年誌、私は子供時代には手にとった事が実は無いのですが、私の子供時代には全学年分が出版されていましたし、それがどの様なものかは知っていたつもりでした。しかし、それが戦前、出版社の創設にも関わるものだったとは知りませんでした。当然、戦中や戦後、私がリアルタイムでは知らない時代の事も…戦中期の事情に関しては→
#v読
伊福部昭 著 小林淳 編「伊福部昭綴る 伊福部昭 論文・随筆集」読了。作曲家 伊福部昭の論文、随筆を集成したもの。先日、片山杜秀氏の「大楽必易 わたくしの伊福部昭伝」を読んでいましたので、スムーズに読む事が出来ましたし、理解が深まりました。私は聴くだけで音楽に関しての知識が有る訳ではありませんが、氏の音楽を聴いて感じるもの…その理由を知れた気がします。「音楽に於ける国民主義」「現代音楽のプロパガンダ」「流哇碎零」が特に氏の音楽への考え方が伝わり興味深い内容でした。「プロコフィエフ」の項の❬作品が、他の誰かに似ているといわれる以上の恥辱はないからである。❭との言葉は印象的でした。 #v読
クラウゼヴィッツの「戦争論」は学生時代に岩波文庫の上中巻まで読んで(理解したとは言っていない)挫折しました。下巻は買ってすらいません…>RP
航空機用、しかも空冷式星形エンジンを転用する、その問題点や困難は素人の私にすら想像が付きますからね。戦歴も活躍の機会がほぼなく、乗員がフィリピンや沖縄では陸戦に投入され消耗するなど厳しいものだった事を知ると…色々複雑な気持ちになってしまう内容でしたが、全史というタイトル通り日本海軍における魚雷艇に関する情報を得るには過不足ない1冊だと思います。
今村好信氏の「日本海軍魚雷艇全史 列強に挑んだ高速艇の技術と戦歴」読了。日本海軍における魚雷艇の歴史、開発、技術そして戦歴までがまとめられています。日本海軍の魚雷艇に関しては他の艦艇に関して書かれた本で得た不十分な知識しかありませんでしたから、興味深く読む事が出来ました。しかし、本格的にその必要性が認識され開発、建造が計られたのが太平洋戦争開戦後であり、実戦投入が果たされた時には戦況が不利になり活躍の機会がほぼ無かったというのは…性能面に関してもエンジンの開発に苦しみ望まれる性能を得る事が出来なかったというのは知っていましたが…→
#v読
ブルックナー、その音楽に関しては私もよく理解出来ていないというのが正直なところで…なのですがこの本を読んで聴きたくなりました。CDは何枚か持っていますので、ブルックナー団、ゆたきの語るところに注目して聴いてみましょうか。先ずは交響曲8番かな。
帯の小川洋子氏の言葉通り❬イタイ男❭なかなかのダメ人間ですね。ですが、私には莫迦にする事も笑う事も出来ないですね…でも流石に❬嫁帳❭は(…「読めばますます女性ファンが減ります」同感です(笑)
まとまりの無い感想になってしまいましたね…
高原英理氏の「不機嫌な姫とブルックナー団」読了。文庫新刊コーナーで表紙に目を惹かれて手に取り、一応クラシック聴く人間なので購入。面白かったです。出だしのブルックナー団との邂逅とブルックナーに関する会話…一気に引き込まれました。ブルックナー団が言うところのハンスリック団精神の持ち主、いますよね…色々と思い浮かんでしまいました。そのブルックナー団と出会った(ってしまった?)❬姫❭代々木ゆたきが彼らとの関わりの中で変わって行く姿もまた面白く…ラストの彼女とブルックナー団の会話、最高でした。それにしてもブルックナーその人に関して詳しく知る事が無かったのですが→ #v読
大崎梢氏の「めぐりんと私。」読了。移動図書館❬本バスめぐりん❭を舞台とする短編集2作目。移動図書館の利用者と本に関わる日常の謎を絡めた物語。前作の紹介にある❬ハートフル・ミステリ❭という言葉通りの作品。今作も素晴らしかったです。本好き、図書館をよく利用する人なら共感出来る事も多くあるのでは無いかと思います。収録作のなかでは「本は峠を越えて」に一番心を惹かれました。そしてミステリ好きには「リボン、レース、ときどきミステリ」はたまらない作品ではないでしょうか。作中に登場するミステリ作品がまた良いのです。こたくさんの本が各物語の中に出てきますが、読んだ事のある本が出てくると嬉しくなりますね。 #v読
ないのか…とか。何よりもユーモア溢れる語り口、そのお人柄が伝わってくる文章でした。同じくオックスフォード留学に関して書かれた徳仁親王殿下(今上陛下)の「テムズとともに」を先に読んでいました。併せて読む事でさらに理解が深まった様にも思います。特別寄稿の形で収録された父君寛仁親王殿下に関する思い出を綴られた文章も素晴らしいものでした。Twitterで❬バズった❭事により文庫化復刊がなされたともありますが、読むことが出来て良かったと思える1冊になりました。
彬子女王殿下の「赤と青のガウン オックスフォード留学記」読了。面白かったです!女性皇族として初めて博士号を取得された彬子女王殿下による留学記。❬楽しかったことも辛かったことも正直に書き綴ってきたつもりである。❭との言葉の通り英国オックスフォード大学での留学生活の様々な事柄大学での学習、研究に関する事、日常生活のあれこれ、休暇で訪れた英国や欧州各地での出来事、御友人方との関わり、そして皇族ならではの御苦労やそれに関わる事(側衛と呼ばれる護衛官の事初めて知りました…)等々、どれも興味深く面白い話ばかりでした。個人的には英国料理はやはりあまり美味しく→ #v読
秀章氏の「純情ギャルと不器用マッチョの恋はじれったい」読了。TLで感想を見かけ購入してみましたが良いですね。ド直球の青春ラブコメであり筋トレネタラノベですね(他にこのジャンルあるのか?)シンプルに楽しめましたし、筋トレ、ダイエットネタがまた楽しくもあり。友人達のキャラがなかなかに楽しく、単巻ではもったいないなとか思いながら読んでいたら最後に❬つづく❭とありますから続編があるのですね。期待して待ちます。 #v読
森晶麿氏の「切断島の殺戮理論」読了。帯にある❬異様❭❬異常❭❬異形❭という言葉通りの本格ミステリ。登場人物、舞台設定、事件の背景等々、本格ミステリ味というか堪らないものがあります。次々と起こる惨劇の不可解性も魅力的ですし、最後に明かされる真相、真実は正に…下手に書いてしまうとネタバレしそうなので控えますが、異様、異常、異形でありながら論理的な解決は正に本格ミステリ。楽しめました。ラストを読むと続編、シリーズ化も有るのかな?という印象も受けましたが、そうであれば楽しみです。 #v読
三上延氏の「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ ~扉子たちと継がれる道~」読了。貸本屋❬鎌倉文庫❭、その貸出本を巡る、扉子、栞子、智恵子、3人各々が挑む物語。そしてそれが繋がり…これまで同様楽しめました。夏目漱石の小説に関する話題も面白いですね。とは言え登場する作品、私の未読の作品もあったのですが…読んでいてなんというかヒヤヒヤしたのは扉子パートでしょうか。なかなか苦労しそうな性格です。ミステリ的には連作短編としての作りが好みでした。ミステリとしては「栞子シリーズ」より「扉子シリーズ」の方が強めかなとか思たり… #v読
蛯名正義師の「調教師になったトップ・ジョッキー 2500勝騎手がたどりついた❬競馬の真実❭」読了。蛯名調教師による週刊ポストでの連載を加筆修正、再構築した1冊。先日、やはり騎手から調教師へ転身した福永調教師の本を読んだばかりですが、対比が出来て面白かったです。自身騎手時代の話は知らなかった事も多かったですし、天才騎手の息子である福永師と違い競馬とは直接的に関係のないところからスタートした事もあり、そのスタンスや考え方の違いも面白かったですね。厩舎経営に関する割りと明け透けな話も考えさせられる事もありましたし、連載媒体の関係もあるのでしょうが、馬券術に使えそうな内容も。 #v読
羽生飛鳥氏の「蝶として死す 平家物語推理抄」読了。平清盛の異母弟、平頼盛を探偵役とする時代ミステリ。アンソロジーの収録作として「弔千手」は以前読んでいてその見事さに驚いたのですが、連作短編集の中で読むと更にその面白さに気づく事が出来ました。ミステリとしての面白さは勿論として時代小説としても見事としか言い様がなく、時の権力者たちとの関係の中での頼盛の生き様の描かれ方が印象深く、そのタイトルの意味も読み終えると頷かされるものでした。平清盛、木曽義仲、源頼朝、北条時政の対比が面白かったです。ミステリとしては「葵前哀れ」が好みです。登場人物としては家人の平弥兵衛宗清が私には非常に魅力的でした。 #v読
各短編個々としても連作短編としても大傑作だと思います。「万華鏡」と「刻の花びら」が私は特に印象深いものでした。古内先生の作品、私はどの作品でも読み始めた時に❬嫌なやつ❭❬好きになれないな❭という登場人物が必ず出てくるのですが(主人公である事もしばしば)毎回読み終えた時にはその人物を理解出来る様になる、憎めなくなる、許せる…いや寧ろ大好きになってしまうのが不思議で仕方ありません(^-^;今回も2名程いらっしゃいました(笑)
古内一絵氏の「お誕生会クロニクル」読了。読み終えて暫し放心状態連作短編集、各短編を読んできて最後の短編のラスト4行の言葉がこれ程胸に響くとは…誕生日、誕生会をテーマとした各短編各々が素晴らしいのですが、各短編が相互にリンクしていてしています。最初の「万華鏡」から傑作だと思ったのですが、読み味が少しずつ異なる続く作品のどれもが素晴らしく…特に「あの日から、この日から」は❬あの日❭をあの出来事の日としか認識出来ていなかった自分に愕然としたりもしました。また連載中に起こったコロナウィルス流行も今読むと色々な事を思い出したりもしました。→ #v読
クライマックスはもう…後半は文字通り頁を捲る手が止まりませんでした。前作も素晴らしかったですが、個人的にはそれを越えたという印象です。更なる続巻の予定もあるとの事で期待しかありません。